第47回 第49回

随想第48回

古藤野靖 慰霊と鎮魂・震災伝承・復興の意思を次世代に紡ぐこころの森 NPO法人 こころの森 代表理事 古藤野靖

こんにちは。宮城県石巻市のNPO法人「こころの森」代表理事の古藤野(ことうの)と申します、よろしくお願いします。

私は石巻市の南浜門脇地区に小学校の時より、生活をしていました。もともと水田が多く、日本製紙の前身の東北パルプがあり、そちらに勤める都会の人と、地元石巻の土着の人との混合の面白い活気のある街でした。今は無き門脇小学校は六学年すべてに六組ある、とても大人数の学校でした。

その昔は活発で栄えた地域が、東日本大震災の津波と火災で、街が消滅し、被災地最大の被害を受けた場所になりました。古くからの友人や、子供の同級生などが、沢山亡くなりました。その場所は、海沿いで危険地域となり、人の住めない場所となりました。

五年程前、その場所に国営の復興祈念公園ができることになりました。その公園はゴルフ場の芝生のような薄っぺらい公園ではなく、いのちの営みを感じさせる、森のような公園にしよう。みんなで植樹をしながら、100年後の子供達へ紡ぐ公園にしようとNPO法人「こころの森」が設立しました。その国営の公園のコンセプト「①慰霊と鎮魂 ②震災伝承 ③復興の意志を次世代へ紡ぐ」が出来ました。今では17の団体で維持管理協議会ができ、石巻市役所が事務局をしています。私たちは三年前から、里山から種拾いをして、種植え、水やり、発芽、ポットへの植え替え、育苗を繰り返し、現在6,000本の苗木を育てています。

やっと今年の九月より、第一回目の植樹祭が開催されます。もともとこの地区に住まわれていた方、現在この地域に住まれている方。地元の小中高校生、他の地区のボランティアの方々と共に、植樹をしてまいります。3年後の2020年のオリンピックの年がプレオープンで、それまでに10万本を植えて公園の柱となる木々を育てます。

その後も10万本を植樹し、100年後の子供達へ送る森づくりをします。自然の力で失った場所に、地元の人々の手で植える森づくりです。第一回目が9月23日の植樹祭です。ぜひ、ご参加ください。yas@hitakaminokuni.co.jpへメールお待ちしています。どうぞよろしくお願いします。

次回は末永水産(株) 会長 末永勘二氏