第122回 第124回

随想第123回

リロカリコクリ株式会社代表取締役 米津 岳 本質的な課題解決を事業化し雇用創出「地域資源活用事業」 リロカリコクリ株式会社
代表取締役 米津 岳

 宮城県北西部に位置する加美町で2021年にリロカリコクリ株式会社を設立、地域資源活用による地域活性化を目的とした事業に取り組んでいます。
主に空き家対策事業を軸とし、宿泊業、農業、地場産品商品開発事業などを展開しています。
私は地域おこし協力隊として2018年に東京から加美町へ移住しました。当時は観光振興をミッションとしてイベントの企画、新しい観光産業の開発・発掘等を行っていました。
活動を行う中で地域の方々と関わる内に、本当に自身が取り組みたいこととは何かということを考えた結果、地域に住んでいる人のためにこそ活動していきたい、具体的には「地域が抱えている本質的な課題解決を事業化し雇用創出したい」という思いに行きつきました。
それが地域資源活用事業です。
地域資源と一言で言っても様々なものがあります。名産品や農産物、観光地なども挙げられますが、一般的にマイナスと捉えられるものも地域資源といえるのではないでしょうか。
例えば空き家、空地、耕作放棄地 など。過疎や高齢化、若者離れなど様々な事情により増加している空き家も視点を変えれば大きな資源になります。移住者受入住宅、チャレンジショップ、宿所や寄り合い所…他にも活用次第で夢は無限大。かくいう私も空き家だった物件に住まい、未使用だった倉庫を事務所にし、放置されていた牛舎を簡易宿所としてオープンし、耕作放棄地だった畑で野菜栽培をしていたらいつの間にか農家にもなっていました。
現在は菓子製造業を取得し、地域の方にも参画していただきながら自社栽培野菜や地域で収穫したお米を使用した加工品商品の開発販売も行っています。
私が現在思う本質的な地域課題とは、「地域住民が自発的に楽しいと思えることにチャレンジできるマインドの醸成」だと捉えています。
地域に住んでいると気付けない資源、不要だと思われるものにも地域を活性化できるアイディアは多く隠れています。そんな地域資源を地域の方と共に形にしていくことで本質的な地域課題の解決に取り組んでいきたいと思います。

次回予定は……PORTTAVOLA オーナーシェフ 瀬戸正彦 様