大蔵 国孝
東京・池袋駅東口にあります、宮城県のアンテナショップの店長をさせて頂いております。もとは宮城とも東北とも縁もゆかりもない立場でしたが、この仕事で繋がった宮城とのご縁もはや15年近くとなりました。
現在の店舗は、設立にあたった上司とともに試行錯誤を重ねつつ、日々頂くお客様のご意見やアイデアなどを参考に、お客様の求めによって成り立ってきた店舗かとも思います。東日本大震災の際は復興支援の為のご購入や募金などで大変多くの方にご来店いただき、たくさんの励ましや激励の言葉もいただきました。またその後、楽天イーグルスが日本一になった際には、在京の楽天ファン、宮城ファンの方々が何の声掛けもなく当店の店頭に集まり、店頭に設置した街頭テレビで大きな声援を送っていただきました。そして羽生選手が優勝した際には、お客様と店内で記念のくす玉を割るなど、常にお客様と共に日々一歩一歩歩んできたと感じています。その充実した仕事をする日々で、多少負い目に感じることもあります。そうです、私自身が他県の出身であることです。特産品の知識や観光地の知識はたくさん勉強してきました。ですがその街が持っている文化や空気感など、なかなかうまく言葉で伝えられなかったこともあったと思います。店舗の特性上、お客様にがっかりされることもありました。でもそういった私を支えて指導していただいたのは、地元を愛する宮城県の方々でした。
地元の産業を支える生産者の方を訪ねれば昼夜を問わずもてなして頂き、仕事で関わる方々には様々な知識を授けて頂きました。また県出身で上京し現在は首都圏にお住まいの方などには、宮城県出身者のネットワークに混ぜて頂くなど、気が付けば私の周りにはいつも地元を愛する宮城県人が揃っていました。そういった皆様の力添えもあり、15年にわたりこの仕事を続けてくることができました。まだまだご恩をお返しできるほどの立場ではありませんが、これからも支えて頂いた方々のお役に立てるよう、また宮城県の力に、復興の力になれるよう日々精進して参ります。
次回は宮城学院女子大学 現代ビジネス学部 教授 大谷尚之様