専務取締役ホテル事業本部長
ホテルメトロポリタン仙台
総支配人 紺野純一
時の移ろいは、街(都市)の景観や風情、息吹にも変化をきたす。
1982年東北にとって待望久しい新幹線が大宮まで暫定開業した。その後、上野・東京開業に繋がる。東北高速自動車道の整備や仙台空港の国内への新規路線開業も進んだ。交通機関の発達は、街(都市)間の時間距離を短縮し、社会経済に大きな貢献をし文化伝播・交流人口を拡大し、街(都市)を行き交う人々の多様化を促す。一方、お祭りやイベントも全国的に有名な「夏の七夕祭」だけでなく、春夏秋冬多彩なイベントが開催される。新緑眩しい頃の「青葉まつり」、秋・冬には、杜の都仙台を象徴する定禅寺通りを中心に「ジャズフェスティバル」や「光のページェント」が開催され、多くの観光客を誘致するまでになった。
2011年3月11日東日本大震災の発生は、仙台の街(都市)だけでなく、東北や全国、海外にも衝撃が走った。東北新幹線が運転を再開する4月29日まで仙台の街(都市)も、明かりが少なく人通りもまばらだった。東北新幹線の運転再開、知事への復興への「キックオフ」宣言、プロ野球楽天の感動の宣誓と勝利、ベガルタ仙台の力強いプレーなど、この日は仙台の街(都市)も東日本大震災から49日目にして復興に向けて大きく歩み出す日になった。そして「東北六魂祭」の開催が仙台の街(都市)だけでなく、東北全体に大きな元気と希望を与えてくれた。まだまだ復興への道のりは遠いものがあるが、「災い転じて福となす」未曾有の災害が私たちにもたらしたいくつかの教訓と新しく繋がった人と人街(都市)と街(都市)の絆を大切に、復興への歩みを加速すればと思う。
今年は、楽天にリーグ優勝の期待がかかる。昨年はベガルタ仙台が優勝のまで今一歩だった。そして劇団四季の「CAT」公演は大盛況だったし、ビッグアーチストの公演もホテルの予約が取れない日がある。スポーツや音楽公演・芸術やエンターテインメントの充実は、これからの仙台の街(都市)にとってとても大切である。2015年には地下鉄東西線の開業や東北新幹線の北海道延伸が決定している。仙台・宮城ディスティネーションキャンペーンで、培った《おもてなしの心》とともに交通インフラの拡充・整備は、街(都市)の景観や風情・息吹を更に魅力ある素敵なものにしてくれると信じてやまない。
次回は、仙台市教育委員長、松栄不動産株式会社、代表取締役副社長、松坂 宏造氏