代表取締役 横田 善光
塩竈市で生まれ育ち幼少の頃は父に連れられ海で魚を釣ったり市場で買い物をしたりしていた。歩いて海まで5分の場所に住んでいた為、港が自分の遊び場だった。
親戚が来ると塩竈から松島への遊覧船に乗り今は無き松島水族館に行くが楽しみで、当時はタツノオトシゴのお守りが沢山売られていた。子供ながらに竜のような不思議な生き物だと水族館で本物を見ながら興味をそそられた。しかしなぜ今は売っていないのだろう?と漠然に思っていたが地元の漁師の方に聞くとアマモ場(ニラのような海藻が群生している場所)が無くなったからいなくなってしまったのだと・・・
また、アマモ場は年々減少しタツノオトシゴや小魚が減ったと言われている。
8年前の東日本大震災による津波被害で塩竈は新しい防潮堤が出来、沿岸部の復興が進んでいるのが分かる。しかし海の中はどうだろう?残っていたアマモ場も9割が津波に流されてしまい小魚やその他の生物が生態系を保つ場所(住家)を失ってしまったようだ。
海のゆりかごとも言われるアマモ場を再生出来ないものか?と現在地元では頑張っている。
また、アマモは浄化作用があり海水を綺麗にし最近では牡蠣の養殖にも効果があると研究が進められ重宝されるようになった。 宮城県の由来は多賀城の「城」と鹽竈神社の「宮」から廃藩置県の際につけられたと言われているが、ふるさとの名前が由来と聞くと嬉しいものだ。宮城の前に竜の字を入れると竜宮城になる。いつの日か竜宮城のような豊かな海が再生出来れば嬉しい。
時間はかかるかもしれないが、アマモの育成を地元の小学生にも授業で取り組んでもらっている。
我々世代だけでは無く後世にもこの想いを伝えていくのが使命だと感じている。
次回は一般社団法人チガノウラカゼコミュニティ 代表理事 津川登昭 様