渡邊 陽介
ご縁をいただき投稿させていただくこととなりました。アルファフーズ株式会社の渡邊と申します。
この度このような場をいただき、僭越ながら「絆」という表題から真っ先に思いついた自分の父について記したいと思います。 私は宮城県で飲食フランチャイズチェーンを運営する会社を経営しています。この会社は私が立ち上げた会社ではなく、亡くなった父が設立した会社です。
私の父は大学卒業後とある化学メーカーに就職し、そこで十数年経理を担当していましたが、ある日突然帰宅早々に「会社を辞めた」と母に伝えたそうです。
もともと我が強かった父は人から指示されたことをやるのが嫌いで、会社員生活に合わなかったのかもしれません。年齢も40歳を目前にし、このまま会社員として一生を終えるのではなく「自分の人生で何かを成し遂げたい」という気持ちが強かったのだと思います。とはいえ突然無職になっで帰ってきた訳ですから我が家は大混乱です。当時私は3歳。しかも妹が生まれたばかりで、こども二人を抱えた状態での退職。起業するとは言いつつも何をするかは決めていないという状態で、今考えるとよくそんな無謀なことをできたものだなと思います。
その当時の父は様々な飲食店に私を連れて行ってくれました。ハンバーガー屋さん。ケーキ屋さんなど、その時々で違うタイプのお店でしたが、行った先々のお店ではいつも決まって「おいしいか?また来たいか?」と聞かれたのを今でも覚えています。きっとそうやって子供の反応を見ながら自分の中でこれからどんな事業を始めるか想いを巡らせていたのでしょう。
やがてそうやって連れていってくれていたお店のひとつ、とある飲食チェーンのフランチャイズに加盟し商売を始めることとなります。オープン日、お店の前には3時間待ちの行列ができるほど。父の「何かを成し遂げたい」という想いが形になった瞬問でした。
残念ながらその1号店は今は閉店してしまいましたが、私の自宅には、そのオープン日のお店の前で父と並んで撮った写真があり、それを見るたびに父と過ごした日々を思い出しています。
次回は有限会社ワタナベ保険 代表取締役 七ヶ浜ロータリークラブ 会長 渡邉 亨様