第55回 第57回

随想第56回

竹内廣 あなたかわりはないですか 元仙台中央郵便局長 竹内 廣

ハガキが二割も値上げして、六十二円になった。
それでも毎日のハガキ書きはやめられない。

ハガキは「端書(はしがき)」が語源でメモ程度の簡単な文章を書く目的で明治六年に生まれた。だから長く書く必要はない。親しい仲間あてだと「拝啓」も「敬具」も抜き、内容も三行程度がいい。書く人も読む人も負担にならない。私はこの「ハガキの三行革命」をおすすめしている。

書き出しは歌謡曲の歌い出しがいい。以下それぞれの用途にあわせてご利用下さい。

◎どんな相手にも使える万能型。
    「あなたかわりはないですか…」 私、元気。

◎春の季節はこれ。
    「白樺青空南風…」 そちらはいかが?

◎二日酔いの反省を「のんべい仲間」に報告。
   「お酒はぬるめの燗がいい…」
    と八代亜紀似のママにすすめられて、ついつい飲みすぎて…。
   「飲めと言われて素直に飲んだ…」 昨夜は、人生は浪花節だよと言われ、ついつい…。
   「チョイと一杯のつもりで飲んで…」 いつの間にやらハシゴ酒が悪かった…。

◎昔のカレにたまに一筆。
   「あなたは、もう忘れたかしら…」
   「好きよあなた、いつまでもいつまでも…」

◎早速お礼を書くつもりがついつい。
   「三日遅れの便りをのせて」 ごめんね。

◎お店の集客用はこれ。
   「おひまなら来てよね、私淋しいの…」
   「赤いネオンに身をまかせ…るのならぜひ、うちのお店です」
    MSA推薦の店。

◎最後に単身赴任で頑張っているパパに励ましと生活指導はこれ。
   「身体に十分注意をするのよ、お酒もちょっぴり控えめにして、あなたは男でしょ、
   強く生きなきゃ駄目なの、私のことなど心配しないで!」 私祈ってます。

以上、本紙に掲載されている第一興商の「カラオケランキング」にないような古い歌ばかりですみません。なにしろ私八十歳、因幡晃のファンですので「わかって下さい」。

昨年、生誕450年の伊達政宗公は戦国武将のなかで大変筆まめな方でした。どうぞ皆さんも「おらほの殿様」に負けぬようハガキを書いてみませんか?

次回は参議院議員 和田政宗氏