第40回 第42回

随想第41回

木村達男 世界に誇れる三陸のほや 株式会社三陸オーシャン 代表取締役 木村達男

「これは旨い!なんとゆう食べ物ですか?」カナダトロントでの「ほや」の評価であり、良い意味での質問攻めに驚いた。

サラリーマン時代の二十数年前、カナダの兄の所に遊びに行ったときに、ほやの乾燥品を作りお土産として持参した時の話である。述べ百人位。全員が感動して食べてくれた。これが私の商品開発の原点である。

五つの味(塩味、甘味、酸味、苦味、旨味)が揃っている素晴らしい食材にもかかわらず日本では「くさや」か「ほや」かと言われるほど嫌われる食材になっている。何故だろう? わが故郷(石巻市牡鹿半島)の特産であるこのほやを何とか日の当たる食材にしたい一心で起業したのは十二年前である。あの大震災もあり悪戦苦闘の連続であったが、 家族をはじめ多くの方のご支援もあり、何とか売り上げも進展し、共同開発を含む様々な案件が寄せられるようになってきた。 二年前にはほやの塩辛がANAの国内線、国際線の機内食に採用され、最近も再度の発注が来ている。厳しい審査を乗り越え「ほやが空を飛んだ」まさに舞い上がる気分であった。

やはりほやは「鮮度が命」である。三陸も宮城も生食文化であり、私も生が大好きであるが今の流通でも日に日に鮮度が落ち、味も変わってくる。マイナーイメージを変えるのはやはり食べやすくなじみやすい加工品である。私は常に初心者用、中級者用を意識し開発しているが確かな手ごたえを感じている。イベントにも積極的に出店し試食をしていただいた。五万人を超えるほや嫌いの方が目の前でほやの認識を変えたくれたと自負している。

ほやの廃棄問題等課題が山積しているが今こそ国内需要拡大のチャンスである。宮城に行って昼は牛タン、夜はほや料理で一杯、いいですね~飲食店の皆さんよろしく!

次回は三養水産株式会社 辻尚広氏