皆様初めまして、東北放送報道部の横山義則です。現在、私は、夕方のニュース番組「Nスタみやぎ」の木・金のキャスターを務めております。画面に出る以外では、県内各地を回って取材活動をしています。
このところ、高校生を取材する機会が多かったのですが、“いまどき”の高校生には感心させられること頻りでした。
今年3月に開催された国連防災世界会議のパブリックフォーラムでは、震災で被害に遭った高砂中出身の高校生らが、地元にある蒲生干潟を生かした防潮堤案を、自ら考え発表しました。その取材過程で彼らは、「防潮堤などを計画しているのは大人だけれども、将来ここで暮らしていくのは私たちなので、自分たちの意見も取り入れてほしい」「地元の未来は自分たちでも決めたい」と語ってくれました。感激でした。
また、今年4月の栗原市にある築館高校の入学式後の保護者会では、応援団長の生徒が校長にぜひ保護者に話をさせてくれと直訴し、壇上に立ちました。団長が保護者に訴えたこととは、新1年生への伝統的な厳しい応援練習に理解を求めるものでした。団長曰く「私も練習から逃げたいと思ったことがありましたが、それを乗り越えてこそ社会で通用する人間になると確信しました。ご支援いただければ必ずお子様の成長を後押しさせて頂きます」。今年は、応援練習に対する保護者からのクレームは1件も無かったそうです。感嘆です。
このような生徒たちに接し私は、彼らが宮城の未来を立派に築き上げてくれると確信しました。しかし、彼らの行動の背景には、しっかりとした信念を持って生徒を育てようという学校の先生など、指導者の存在があったことは言うまでもありません。
生徒が社会人となり勤める会社やお店も同じく人を育てる場でもあります。会社は、当然ながら利益を上げ社員やその家族が生活できるようにしなければならないのですが、それだけが会社の社会的役割ではないはずです。昨今、企業では「コンプライアンス」=「法令遵守」重視を打ち出すところが多いようです。考えてみれば法律を守ることは当たり前のことで、弁護士の郷原信郎氏は、「コンプライアンス」とは「社会的要請に応えること」と著書などで述べています。いま会社などが求められている社会的要請とは、これからの宮城、日本の未来に向かって有能な人材を育成していくことだと、あらためて感じています。
次回はラクレ代表 プランツアドバイザー 早坂ひろみ氏