第128回

随想第128回

八重ランゲージスクール 代表 佐藤 美樹 『この仕事が我が人生、我が喜び』 八重ランゲージスクール
代表 佐藤 美樹

 「こうしてはいられない」という衝動にかられ、私は日本語学校の教壇を降り、2019年3月5日に会社設立、同時に就労者向けの日本語学校「八重ランゲージスクール」を作りました。
 当時国は特定技能生を35万人受け入れる指針を出し、いよいよ少子高齢化による労働人口不足問題に向けた対策の1つとして舵を切ったわけです。前職では英会話スクールのマネージメントをする中、雇用側が外国人講師の生活基盤をきちんと整えない状態での雇用で苦労した経験上、きっと職場での協働には大きな壁、言語の壁、文化の壁が立ちはだかる事が容易に想像できました。また、勤務していた日本語学校では、留学生がバイト先で差別的扱いを受けたなどの話を聞く機会もあり、急増する外国の若人をこの国は育んで行けるのだろうか、と私ができることを日々考えるようになりました。目の前にいる、目をきらきらさせて日本社会で生きようとしている彼女彼らのためにできることを考えた時、仕事で使う生きた日本語を教える、一方外国人材を雇用する会社側へは仲間として受け入れるマインドと寄り添う話し方「やさしい日本語」の両輪で異文化の壁を無くし、互いが幸せを感じられる豊かな日本社会を創ることを使命とし、日々技能実習生や特定技能、社員の方々に日本語や日本の習慣・文化など先生方と楽しく指導しています。
 業務内容としては、技能実習生に入国後1か月講習をする研修センター業務、オンラインよる日本語指導、会社訪問での対面授業などスタイルは様々です。日本人へは外国人雇用企業内でのやさしい日本語研修、現在は行政やインバウンド、介護施設など多方面で必要とされるようになってきました。
 我々日本語教師の役割は、外国人が外国人と呼ばれない、その存在が当たり前となる世の中に自然と流れるような道筋を作る仕事だと思っております。

次回予定は……アクサ生命保険 仙台FA支社 今野 雅志 様