代表 尾形美保
私が高校3年生の進路を決めるころ、自分自身では明確に決めていたと思っていましたが、今から考えてみれば当時の出した結論は何もわかっていなかったのだなと感じます。
私の最初の進路は音楽関係に進みたいと感じておりましたので、音響の専門学校へ進学し、のちにラジオ関係の会社に就職し、音響の知識を活かしラジオで音楽を流す仕事をしておりました。
しかし、実際に仕事をしてみると不思議と達成感もなく、悶々とした日々を送っておりました。
当時の私は、悶々とした日々に耐えられず仕事を辞め、まったく違う職業へ就職してしまい、自分の将来の目標が何なのかわからなくなってしまう結果となり、いつしかそのことも忘れ、ただ仕事に追われる毎日を送る人生を歩むだけとなりました。
そんな私に転機が訪れたのは、夫が脱サラをして燻製屋を開きたいと相談してきた時のことです。
私共夫婦には子供がおらず比較的身軽であった為、この悶々とした日々から抜け出せるのではと考え、深く考えもせず同意したことから始まります。
それからは怒涛の毎日でした。夫はお店が軌道に乗るまではサラリーマンを続け、私が中心でお店の立ち上げや運営を行う事になり、夫からは燻製のレクチャーを受け、お店を開くための事務処理等を行う毎日でかなりハードな日々を送ることとなりました。
そんな中、なぜか心はあの悶々とした感覚から解放されていることに気づいたのです。
そうなんです。私のやりたい事、それは「何かしらの技術」を極める事だったのです。
現在私は、夫にも意見できるほどに燻製の技術を覚えることができ、燻製屋として充実した日々をすごせております。
私が最後にお伝えしたいことは、進路を決める大事な時期には、焦らずじっくりと考え、「なりたい職業」ではなく、自分の中の「やりたいことは何か」という原点まで掘り下げていく事が大切という事です。
今では、当時このことに気づいていれば、やりたいことをやれる時間がもっと増えたのにと少々後悔しております。
これから進路を決める若い皆様は、やりたい仕事ではなく、やりたい事を是非見つけてください!
次回予定は…宮城産業株式会社 代表取締役相澤 慶太郎 様