代表取締役 中鉢 貴省
弊社はホテル・旅館を中心とした宿泊施設様向けのWeb制作やメンテナンス/システムのインフラ構築など、所謂IT回りのお手伝いをする傍ら、自社でも県内二棟のホテルを運営する会社です。
ご承知の通り、宿泊・観光業界は、このコロナ禍の中、苦戦を強いられている業種の筆頭格に上げられています。
そもそも移動や対人交流などがあって初めて成立するといっても過言でないサービス体系の業界。政府・自治体の方針や施策、また国民の感染拡大への危機感から来る行動制限に右往左往してきた2年半でした。
こんな時だからこそ、商売・経済のあり方に立ち返るべく、表題のようなことを考えます。
【経済】人口減少や市場縮小に伴い、政府主導でインバウンド誘致が声高に叫ばれてきました。目的は海外からの観光客≒短期移民からの外貨獲得です。
元来、「気候・食事・文化・自然」の観光の4大要素を満たす日本は非常に稀有な国でありますが、高度成長期以降、その他の産業に力を入れた結果、入国者数・観光収入ともに諸外国に取り残されてしまっています。
人口減少と高齢者増加により、何もしなければ収入が減り、支出が増える。「観光業」は世界第4位の基幹産業であり、日本と東北はもっと潜在力を発揮し、国内GDPの底上げ・経済に貢献出来ると思っています。
【地域社会】市場が縮小した結果、次に地方にやってくる課題は「財政赤字」と「若者不足」です。
我々が暮らす東北地方は地方消滅地域の筆頭。宮城を除く五県は軒並み20年後には7・5%以上の人口減少、宮城も180万人まで人口減少が予想され、これは何よりも確かな未来予測です。
景観的な町づくり、という視点でも、廃墟施設が立ち並ぶゴーストタウン化した観光地は過疎の象徴そのもの。
観光要素を満たす日本・東北において、文化と歴史と自然を継承、そこから町づくりや景観づくりによる地域のブランディング・経済循環システムの再構築をし、宮城東北の若者の雇用と生活資質の向上を目指す。
【経済】はもちろんのこと、その事業が【地域社会】に伝播し、これらは確かに、「社会問題や地域課題の解決」=「企業の利益」がイコールになる産業であり、顧客や社会に求められ、地域から共感されるはずです。
未だ終息の見えない情勢下でありますが、いま、そんなことを考えながら、モチベートに繋げています。
次回は有限会社北の一チェーン 専務取締役 小関 宏 様