随想 絆

(株)G-com代表取締役 後藤 順二

第131回 遠くから来てもらってありがとねって、言われることが嬉しい

(株)G-com代表取締役
後藤 順二

 登米市南方町で電気通信工事業を運営しています。創業46年を経過し事業継承をしてからちょうど10年目になります。

 元々の仕事内容は家屋の屋根にテレビアンテナを設置してもテレビ電波を受信できない地域(難視聴区域)に共同アンテナ設備を作り、同軸ケーブルや光通信ケーブルで家屋に電波供給をする仕事をしていました。(石巻市の山間部や女川町の離島など)

 2003年の地デジ化開始に伴い仕事量が激減し倒産寸前まで追い込まれた事もあります。その当時は、東北や関東を駆け回り色々な仕事をやりましたが、どうあがいてもダメな時はダメなんですね(笑)

 どうせダメなら度胸を武器に一攫千金を夢に見て身の丈に合わない仕事にも手を出してとどめを刺された事もありました。

 そんな状況でも妻と今残っている社員に何度も何度も励まされ、藁をもつかむ気持ちで営業をしていると突然ラッキーが舞い込んできたので畑違いですがそれをやってみることにしました。世の中何が転がり落ちているかわかりませんね。

 先代から負の遺産を残され、そのまま継承したことに不安や怒り喪失感しか持てない時間が長いこと続きましたが今ではその非現実的経験(知らない会社や金融機関に頭を下げた回数)が自己成長させてくれました。

 最近は去る人は去る・残る人は残る・縁がある人は何度も出逢うと考えるようにしています。工事屋は電気配線や通信線の不具合を治してなんぼです。お金も大事ですがお客様に感謝され喜んでもらった時の笑顔を見るのが職人にとって何よりのギフトですし私がこの仕事についたきっかけです。

 風の時代、そういう感覚は希薄になってきていますが古き良き時代の出来事をいつまでも忘れずに社員や弟と息子に伝えグローバル企業ではなく地域に根ざす企業を目指し泥臭い活動をして行けたらいいと思います。

次回予定は……有限会社KAKAZU企画 代表取締役 毛利美菜子 様

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