第85回

随想第86回

有限会社 アトリエデリス 代表取締役 一般社団法人みのり代表理事 佐々木 文彦 「みのりプロジェクト」 有限会社 アトリエデリス 代表取締役
一般社団法人みのり代表理事 佐々木 文彦

 地域の「稔り」で地域の「人」が「みのる」仕組みを作り地域に人を残したいとの思いで(一社)みのりを地域の仲間たちと白石市に設立したのが3年前。1年目は地域食材の1次・2次加工の拠点「みのりファクトリー」。2年目は飲食店や農家さん向けの衛生検査や土壌調査、残留農薬、水質検査等を行う「みのりラボ」。そして今年の6月、県内の食材を使用した料理や飲み物を楽しんで頂くレストラン「みのりキッチン」がオープンしました。

 仙台生まれの私が縁あってフランス経由で蔵王の地に足を付けたのが22年前。「蔵王フード(風土)」をテーマに、地域食材を使用した洋惣菜・洋菓子・ケータリングのお店「蔵王食工房アトリエデリス」を蔵王町に開業し皆様に応援頂き18年目を迎えることができました。

 お店の周りを見渡すと果樹、酪農、畑作、お米、畜産など様々な農業で生きてきた地域であることがわかります。採れたての野菜や果物は手をかけなくともそれだけで身体が喜ぶ美味しさがあります。完熟してから頂くトマトは夏の楽しみです。蔵王町は県内一の生産量のあるものが12~14種類あるといわれております。お店の前の梨畑は日当たりもよく地下水位も高いことから毎年とても瑞々しく甘い梨が取れます。蔵王に来るまでは栽培の事はほとんどわかりませんでした。今は毎日、目の前の梨の成長とそれを丹精込めて育てている農家さんの姿をみております。農家さんと同じ地域で生きるようになり色々なことを知るようになりました。農業は重労働だなと。そして価格の不安定さ。作物に対する愛情と誇り。後継者が居ないことへの寂しさ。喜んでもらった時の嬉しさ。色々な話を聞かせてもらいました。そして私は農家さんが引退した後、お客様に喜んでいただける商品を提供できるのだろうか?地域に人が居なくなったらこの地で経営していけるのだろうか?私達食に関わるものは何ができるのだろうか?と考えるようになりました。それが「みのりプロジェクト」の始まりです。

その仕組みを皆様にも知って頂き「幸せの食の環」にまざって頂ければと思います。白石市にある「みのりキッチン」にてご体験くださいませ。

次回は蔵王料理 のうらく伸 作間秀伸様