第59回 第61回

随想第60回

公平 有史 日本の誇れる国名、国旗、国歌を子孫に正しく引き継ぎましょう 安全調査事務所長 公平 有史

わが国を「日本」と呼ぶようになったのは聖徳太子以降で、以前は「倭」 といって、中国では蛮族といって軽蔑していたので「倭」を「和」に改め、それに大をつけ大和(やまと)と呼ぶようになり、六〇七年聖徳太子が小野妹子を遣隋使に任命し、隋の煬帝に「日出る処の天子、書を日没する処の天子にいたす、つつがなきや…」と国書を送った。その頃から日本という国名が呼び名として生まれたと言われている。

国旗「日の丸」は、太陽を象徴した旗であり「日章旗」と呼ばれ、天照大御神を太陽神として崇拝し、稲作文化を中心としてきた日本民族は、太陽、自然に特別なる感情を抱いている。

国歌は「君が代」で平安時代に編纂された古今和歌集の中に「我が君は、千代に八千代にさざれ石の、巌となりて苔のむすまで」が元歌になっているといわれる。

国旗も、平成十一年八月十三日、小渕内閣で正式に定められた。先進国で、国旗、国歌を憲法で定めなかったのは日本だけである。

欧州の著名な学者は、「民族とは、自国の歴史と地理をしっかり認識し、憲法を遵守し、更に崇高な道徳をしっかり持っていなければならず、それがあってこそ世界に誇れる民族となり、国家というものを成立させることが出来る」と説いています。

日本は、昭和二十年八月十五日、大東亜戦争に破れ、無条件降伏し、アメリカを中心とする占領軍によって、戦後の教育、思想のあり方は、誇りある日本の歴史、文化、習俗も否定する方向に傾いて、戦前の良きものもすべて捨て去られつつあります。

歴史、地理を教えない戦後教育の影響を大きく受けた戦後世代が、先輩たちが築いてきた日本の良き伝統、文化、風習など次世代に伝える役目を果たすことが出来なくなっている。

日本には現在十六の国民祝日が法律で定められていますが、国民の祝日の意義を理解していない日本人が多くなっている。

明年は日本の象徴である天皇陛下が交代しげん号も改まり、翌々年は、世界注目の東京オリンピックが開催される日本にとって大変化が求められる新世紀を迎える時代だけに、誇れる日本を子孫に正しく継承していきたい。

次回は(株)アルカディア 代表取締役 中田久義氏