第33回 第35回

随想第34回

紺野純一 仙台を宮城や東北、日本におけるインバウンドの代表都市として連携や絆を大切に業務に邁進する 東北観光推進機構 専務理事事業本部長 紺野純一

第8回「絆」で執筆させていただき、今回、34回「絆」欄に登場させていただくことになりました。前回は、ホテルメトロポリタン仙台ホテル事業本部長・総支配人の立場でしたので、改めまして沢山の皆様方にホテルを御利用・御支援して頂きましたことに本稿をお借りしまして厚く御礼申し上げます。

昨年の6月から、官民で設立された東北観光推進機構で東北・新潟の観光活性化や交流人口拡大の仕事に取り組んでおります。

昨今、海外から日本を訪れる訪日外国人(インバウンド)の数が、この随想が掲載される頃には、1千900百万人台後半(2015年計)になると言われております。海外からのインバウンドの拡大に本格的に取組み始めた2003年が海外から日本を訪れる外国人の数が521万人だったことを考えれば隔世の感がいたします。しかし東北は、東日本大震災発生と風評被害の影響、海外各都市との直行便が少ないこと、観光素材は沢山あるもののブランド力が弱いことなど、国内他地域に比較すると訪日外国人数は伸びが少なく、東日本大震災前に戻っていない状況です。(2015年度確報発表前)

訪日外国人の誘致に向けて、海外旅行博でのプロモ-ション活動、海外旅行エ-ジェントや海外メディアの招聘、インタ-ネットでの情報発信、受け入れ態勢整備(Wi-Fi、多言語機能充実)等々、それぞれの立場で誘客に向けて取り組んでおります。少子高齢化が進む東北にとっては、インバウンド需要を拡大することが喫緊の課題でもあります。「観光・旅行」の活性化は、地域創性にも繋がります。「観光・旅行」の活性化には、従来の関係者だけでなく新しい分野の組織やジャンルとの連携や人と人とを繋ぐ「絆」がとても重要です。

東日本大震災発生から、5年の歳月が経過しようとしておりますが、あの厳しい自然災害から前向きに復旧・復興に取り組めたのも、人と人を結ぶ沢山の数えきれない連携や「絆」だったと確信しております。東日本大震災から短期間で開催された「東北六魂祭」は、連携や「絆」の結集であり、東北に元気を生み出し、国内外に感動を創り出したことは、記憶に新しいところです。

今年5月には、昨年の国連防災世界会議に続き、G7仙台財務大臣・中央総裁会議が仙台で開催されます。私たちが、ロンドンやパリをヨ-ロッパ観光の代表都市と考えるように、仙台を宮城や東北、日本におけるインバウンドの代表都市として海外から思われるように、連携や「絆」を大切に微力ながら業務に邁進したいと思います。今後とも宜しく御指導御支援のほど、お願い申し上げます。

次回は鎌先温泉 時音の宿 湯主一條 20代目 一條一平氏