第109回

随想第110回

有限会社北の一チェーン 専務取締役 小 関 宏 ハレとケ 有限会社北の一チェーン
専務取締役 小 関 宏

食文化でもあり、日本の伝統的な世界観でもあるのが「ハレとケ」です。ハレの日と聞けばなじみがあり、祝い事と浮かぶ方もいるかと思います。簡単に言うと「ハレ」は「非日常」、「ケ」は「日常」を表す言葉です。「ハレ」は正月などの年中行事や、冠婚葬祭などの人生儀礼など、節目となる非日常の時間や空間を指します。一方、「ケ」はハレ以外の日、つまり普段の生活のことを表します。ハレの日の行事には、人々の衣食住に大きな変化があるのが特徴でもあり、その概念関係の捉え方を民俗学者の柳田國男氏が論じたことで知られるようになりました。

柳田氏によると、ハレとケの繰り返しが人々の生活のサイクルであり、それが生まれた背景は米作りが生活の基本であったからとしています。米作りには、田植えや稲刈りなど、農作業の節目となる作業があり、人々はこの節目の日に豊年を祈って神を祀り、普段口にしない酒やご馳走を楽しんでいました。この節目のお祭りがやがて「ハレ」となり、それ以外の日常を「ケ」と区別するようになったのがはじまりとも述べています。

昔は雨が上がって太陽が顔を出すという天気の変化のことを晴れと言ったそうで、その天気の変わり目や境目を指す晴れが節目を意味する「ハレ」となり、ケシネ(褻稲)と呼んでいた農家で普段食べる米から、普段使いのものや日常的なものを表す言葉として「褻(ケ)」となったというのが語源の様です。

また、ハレとケに関係する言葉に「ケガレ」があり、一説によれば、普段の生活(ケ)を送る活力が枯れた状態が「ケガレ」だとされています。つまりハレの日は、心身のエネルギー回復の為の息抜きでもあったわけです。

弊社では経営目的に「明日への活力と笑顔の提供」を掲げており、上述させて戴いた世界観をもっと気軽に楽しんでもらいたいと、今年8月より「ハレとケ」の店名にて定禅寺店を運営しております。コロナ禍により、価値観も大きく変化した現代ですが、心身の健康を図れるのが食であることは変わらないと信じております。

次回はNPO法人ハーベスト 代表理事 山﨑 賢治 様