第102回 第104回

随想第103回

株式会社ABICO 安彦 滋夫 アナログの良さを生かすためのデジタル化の推進 株式会社ABICO
安彦 滋夫

「少子・高齢化」「感染症予防対策」「防災・減災」「コスト適正化」「情報格差」等は、事業を営むにあたり必須の課題であると言えます。近年「デジタル・デバイド」として報じられる情報格差社会については、多くの組織、団体、個人に内在し、宮城県社交飲食業生活衛生同業組合においても、斯かる問題は飲食店経営に直結する問題として浮上しているのではないでしょうか。

県社生同組合事業の一つとして「沿岸部支部組織強化による復興支援事業」があり、弊社も事業運営に携わらせていただいておりますが、この「情報格差」という問題を強く感じました。

改めてデジタル・デバイドとは、インターネットなどの情報通信技術を使える人と使えない人との間に生じる格差を表す言葉として用いられています。

では、格差は何と何との間に生ずるのでしょうか。我々が居住する地域に目を当てますと、都市部と地方部(特に過疎化が進む地域)でインフラ整備等の遅れから情報の格差が生まれていますし、個人の年齢や日ごろ使っている端末の違いなどによっても、情報格差が生じています。誤解されがちなことが、スマートフォンの操作は大の得意でも、日常生活ではパソコン使わず、慣れていない「スマホネイティブ」という人が増加しているということです。SNSを介しての会話やゲーム、動画視聴等の日常生活上では支障がなくとも業務や事業運営、経営といった場面では、格差を生じさせてしまうという現象があるということです。

個人的な対策として、パソコン教室に通う、使い勝手の良い端末に買い換える、などが挙げられますが、何はともあれ個人の抱く苦手意識を捨てることが最優先です。竈が炊飯ジャーに変わったように、情報社会というものを受け入れなければなりません。
そして身近な家族や知人、後輩にお願いをし、スマートフォンやタブレットによる交流を意図的に図ることです。そんな身近なところからの始まりが情報格差の解消に繋がります。

しかしながら、社生同組合員の皆様が生業として提供しているものは「癒し」や「憩い」であり、「安心感」や「潤い」「嗜好」といった、SNSとは程遠い、デジタルでは提供しにくいアナログサービスが本流です。

デジタルな社会にあってこそ輝くものがアナログサービスです。アナログは不可欠です。「アナログの良さを生かすためのデジタル化の推進」こそが、弊社の目指すところです。

次回はコスモスケア株式会社 代表取締役社長 佐藤活嗣 様